
沖縄の天気予報は基本的に信用しない
沖縄の天気予報は、基本的に信じないでください。ほぼ当てになりません。気象予報士も外します。私たち一般人には決してわかりません。信じられるのは、その日その時間その場所の天気のみ。あとは参考程度に雨雲レーダーだけ。なぜ沖縄の天気予報は当たらないのでしょうか。紐解いていきます。
・沖縄の天気予報が当たらない理由
・沖縄の天気に関するデータ
・沖縄の天気との向き合い方と対策

沖縄の天気予報は当たらないの?
沖縄の天気予報はほとんど頼りになりません。

この日に沖縄旅行に行きますが天気は晴れますか?
InstagramのDMで、このような質問をたくさんいただきます。私たちからの回答はただ一つ。

ごめんなさい。わかりません!
沖縄の天気はあまのじゃく。
晴れ予報で雨が降る。雨予報で晴れる。
「晴れ予報なのに雨が降る。雨予報なのに晴れる。」なんてことがよくあります。
沖縄本島でもエリアで天気が変わります。南部は晴れているのに中部は大雨。中部は晴れているのに、北部は大雨なんてことがザラに起きます。Instagramのストーリーズでも、自分がいる場所は晴れているけど、他の人がいる場所は雨が降っているなんてことがよくあります。
沖縄は亜熱帯地域のため、スコールや急な雷が発生します。市町村内でも晴れるエリアと悪天候のエリアがあったりします。
天気予報士、観光従事者も100%は当てられない
100%当てられる能力があれば蔵が立つ。
せっかくの沖縄旅行。晴れた日を狙い撃ちしたい気持ちは分かります!私たちも、できることなら天気を完璧に当てたいです。
沖縄県内のホテル従業員、ウェディング業従事者、カメラマン、観光施設スタッフ、マリンスポーツスタッフに、翌日の天気予報を聞いても「天気予報だと・・・」くらいの回答しかできません。濁すしかないんです。だってテレビやwebの天気予報がはずれるんです。統計データに基づいた予報もはずれるんです。みんなわからないです。
普段から沖縄の天気について、質問をたくさんいただきます。以前は「天気予報を参考にしてください」と言ってましたが、これは無責任だと思うようになりました。今では「その日にならないとわからないです!」と回答するようにしました(これも無責任か)。
結論、沖縄に行って見ないとわからない
信じられるのは、沖縄のその日その時間その場所の天気。
本記事の結論ですが、その日、その時間、その場所の天気が正解です。「沖縄に行ってみないとわからない」のです。私たちにできることは、当日、沖縄旅行中は晴れることを信じるしかありません。
とはいえ、このままでは本当に無責任な記事で終わってしまいます。では、なぜ沖縄の天気予報が当たらないのか、公式データなどから、5つの原因について考察します。

なぜ沖縄の天気予報は予測できないのか
① 沖縄独自の気候
沖縄は亜熱帯地方に位置しているため、気候変動が起こりやすい地域です。短時間で天候が急変することがあり、このような変動性の高い地域では天気予報の精度が低くなります。
② 沖縄県は島である
沖縄本島や石垣島・宮古島などは、日本の本土より小さく、海に囲まれてます。南西諸島の南半分に位置し、およそ北緯24度から28度、東経122度から132度。日本本土と東南アジアとのほぼ中間に位置し「亜熱帯海洋性気候」と言われるエリアです。気温、水温が他地域よりも高いので、水蒸気が発生しやすい。そのため雨雲も発生しやすく、天気の予想が困難になります。
③ 沖縄県には高い山がない
沖縄県周辺の海上で発生した雨雲は、海風で沖縄本島内を通過します。沖縄には高い山がないため、短時間で雨が降れば、あっという間に晴れ間が見えます(スコール・かたぶい)。1日の中でも、沖縄県の場所によって天気が急激に変わります。
④ 沖縄周辺の海洋気象の複雑性
沖縄は海に囲まれた地域のため、海洋気象の要素が天気予報に大きく影響します。海洋表面温度の変化や海流の影響など、複雑な海洋状態のため、天気予報が当たりにくくなります。
⑤ 沖縄県の大気状態の影響
沖縄は周辺の大気状態によっても天気が左右されます。たとえば、台風は1日か2日で急に発生することがあるため、2週間天気予報などの長期予報も、すぐに変わります。結果として天気予報はほとんどあてになりません。

意外と知らない 沖縄の天気データ
「沖縄はいつも晴れている」と思われる方が実際にいらっしゃいます。沖縄はむしろその逆。全国的に見ても晴れる日が少ない県です。公式のデータを見てみましょう。
沖縄県那覇市の天気出現率
天気出現率とは、その名の通り「天気の出現する確率」です。条件に基づき、①雨、②曇り、③晴れのいずれかとなります。
天気 | 判定条件 | 優先順位 |
---|---|---|
雨 | 1日の降水量が1.0ミリ以上観測のとき | 1 |
曇り | 1日の降水量が1.0ミリ未満で、日平均雲量が8.5以上のとき | 2 |
晴れ | 1日の降水量が1.0ミリ未満で、日平均雲量が8.5未満のとき | 3 |
引用:気象庁

あくまでこの後にだすデータは、“天気出現率に基づく”晴れ・曇り・雨確率です!
気象庁が発表した、沖縄県那覇市の1991年から2020年までの30年分の天気出現率データに基づき、沖縄県那覇市で一番晴れる確率が高い月を計算しました。
月 | 晴れ | 曇り | 雨 |
---|---|---|---|
1月 | 38.1% |
![]() | 33.0% |
2月 | 39.5% |
![]() | 34.9% |
3月 | 43.6% | 21.1% | 35.3% |
4月 | 40.4% |
![]() | 34.3% |
5月 | 38.4% | 24.7% | 36.9% |
6月 | 37.7% | 24.6% |
![]() |
7月 |
![]() |
13.9% | 30.3% |
8月 | 50.4% | 9.9% |
![]() |
9月 | 52.4% | 8.3% |
![]() |
10月 |
![]() |
11.0% | 28.4% |
11月 |
![]() |
19.2% | 27.4% |
12月 | 47.7% | 22.4% | 29.9% |
※那覇市の1991年〜2020年のデータ合算。各月の数値を合計すると99.9%や100.1%になる場合があります。参照:各地の天気出現率(気象庁)
この結果から、沖縄県で最も晴れる確率が高い月は、1位10月(60.7%)。2位7月(55.8%)、3位11月(53.3%)でした。梅雨明け後の7月と、沖縄旅行のオフシーズンとして扱われる10月11月が沖縄で晴れの多い月ということがわかりました。
また、最も雨の多い月は1位8月(39.7%)。2位9月(39.2%)。3位6月(37.8%)です。8月9月の雨が多い理由は、台風シーズンの影響と考えられます。3位の6月は沖縄の梅雨が影響していると考えられます。
年間を通してみると、晴れ:雨&曇り=49.71%:50.27%(雨31.10%・曇り19.17%)となり、ほぼ1対1の確率となりました。(あくまで那覇市のデータです。)
ちなみに、宮古島と石垣島の天気出現率データも気象庁にて公開されています。興味のある方はご覧ください。

沖縄の天気に対する心構え
では沖縄の天気にたいして、私たちはどのような心構えをしたら良いのでしょうか。
① 長期の天気予報を信用しない
沖縄の10日間天気予報や14日間天気予報は、信じないでください。毎日見ていると分かりますが、沖縄の天気予報はコロコロ変わります。自分の心をもてあそばれるだけです。
② 短期の天気予報ですら外れる
48時間天気予報や、3日間天気予報もあまり当てになりません。とくに、明日は晴れ、明後日は雨、明明後日は晴れみたいな、日によって天気予報が変わる時はマジで分かんないです。
③ 「晴れ」「くもり」「雨」が3日以上連続なら信頼度高め
沖縄県は、周りを海で囲まれ、高い山が少なく、亜熱帯地域です。そのため天気予報もころころ変わります。ただし、「晴れ」または「くもり」「雨」の天気予報が3日以上連続する場合は、当たる可能性が高いです(私たちの体感)。
「当たる可能性が高い」とは言いましたが、私たちはそれでも過度な期待はしません。「○○の天気になりそうだね」くらいの感想です。
④ 天気予報が毎日変わる場合は注意
沖縄の天気予報が連日変わる場合は基本的に信用していません。亜熱帯地域のため、その天気予報が早まったり遅まったりすることが往々にしてあるからです。
毎日天気マークが変わる週間予報を見た場合は「もう天気はその日にならんと分からんな。」ってなります。
⑤ 「のち」「ときどき」は全く信用しない
沖縄で「晴れのち曇り」「くもり時々晴れ」「雨のち晴れ」など、「のち」「時々」という言葉をつかう天気予報もほとんど期待していません。なぜなら場所、時間帯によって、空の状況が全然違うからです。
「晴れのち曇り」といったのにずっと晴れることがあります。「くもり時々晴れ」と言ったのに雨が振り続けることもあります。「雨のち晴れ」といったのにずっと曇ってることもあります。
⑥ 市町村別の天気予報を見よう
もしも天気予報を見るのであれば、滞在している市町村の天気予報を、目的地へ出向く当日に各施設・各市町村の天気予報を確認しましょう。
その時たとえ「晴れ」予報であっても、「晴れそうだね」くらいの気持ちでとどめておきましょう。
⑦ まともに信用できるのは雨雲レーダー
tenki.jpなどにある雨雲レーダーは、参考になる天気予報ツールです。沖縄で活動するフォトグラファーさんなども、雨雲レーダーで確認し、場所を変えたり、現地で再度確認している方が多いです。
沖縄旅行上級者であれば雨雲レーダーと天気予報を駆使して、巡る順序を変更したり、行く場所を変える方もいます。
⑧ 沖縄旅行はロングステイほど晴れに出会える
晴れを望む沖縄旅行のためにはなるべく長期のロングステイにすると良いでしょう!
沖縄県那覇市の天気出現率(1991年〜2020年)によると、沖縄県の晴れ確率と、くもり&雨確率は、【晴れ:くもり&雨=約50%:約50%】です。ほぼ1対1の割合です。
沖縄に1日滞在(日帰り)なら晴れに巡り会える確率は約50%。2日滞在(1泊2日)なら約75%。3日滞在(2泊3日)なら約87.5%。4日滞在(3泊4日)なら約93.7%です。
先述した那覇市の天気出現率に従うと、7月9月10月11月なら晴れに巡り会う確率が上がり、1月2月5月6月だと晴れない確率が高くなります。
「沖縄旅行最終日だけ晴れた」「沖縄から帰ってきた次の日に沖縄が晴れた(涙)」というのもフォロワー様から連絡をいただく、まさに沖縄旅行あるあるです。またロングステイほど1日あたりの旅行費用も安くなります。ぜひご検討ください!

さいごに
沖縄の天気予報が、ほかの都道府県よりあてにならない理由がわかりましたでしょうか。
「せっかくの沖縄旅行だから晴れて欲しい!」という気持ちはものすごくわかります。私たちも晴れてくれることを祈っています。ただ、天気予報の心配ばかりしていても仕方ありません。「沖縄に行ってみないとわからん!」これくらいの気持ちでいることが一番いいのかもしれませんね。
